徒然なる日常

田舎の学芸員がいろいろと感じたことを徒然と思い付くままに。

「藤田美術館」展@奈良国立博物館と「骨ものがたり」展@飛鳥資料館

前回更新してから展示を見たのに更新怠ってしまった…。

さて、世間は10連休だったけど、職場はお仕事。
その代わりの休みを飛び飛びに取る予定で、早速展示を見てきた。

国宝の伝道 藤田美術館展@奈良国立博物館

www.narahaku.go.jp

数ヶ月前から曜変天目のポスターもあったので興味を惹かれたので観覧。
数年前に「三蔵玄奘絵」の展示をやっていたはず。

展示室に入るといきなりの行列。曜変天目を間近でみるには30分並ぶとのこと。
後ろからなら並ばなくてもいいとのことだったので、後ろからみたけど文様も光具合も見えたので並ばず。
照明の加減もあってきれいなのだけど、自然光だとどうなるのか気になるところ。*1
全体は「曜変天目茶碗と茶道具」「墨跡と古筆」「物語絵と肖像」「仏像」「尊像と羅漢」「荘厳と法具」「仏典」「面と装束」「多彩な美の殿堂」といった構成で藤田美術館の所蔵品を展示している。

まあいろいろあるのだけど、藤田伝三郎らがどのように収集を進めたのか、もとはどこの所蔵だったのか、という所をもう少し分かる様にしてもらえると良かったと思う*2

 

「骨ものがたり」@飛鳥資料館

www.nabunken.go.jp

 帰りに気になってた上記展示も見る。

サブタイトルに「環境考古学研究室のお仕事」とあるように研究室のお仕事を紹介した展示。土器とかではなく、出土した動物や魚の骨、貝殻などを扱う部署。
「出土する」「探し出す」「同定する」「観察する」「考察する」「記録する」という章立てで、発掘現場から報告書にまとまるまでの課程を紹介している。

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展示室は写真撮影可能。全体的に研究室再現していて面白い。



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研究員の仕事場再現。会期中に実際にここで仕事をする姿を「展示」するとのこと

予想以上に楽しかったので満足。400部限定(1200円)という図録も購入。
こういう展示があるから春の飛鳥資料館は面白い。

*1:茶室で実際に利用する時の条件での見え方で展示して欲しいと思った

*2:国立博物館だと厳しいよね、というのが正直な印象。