徒然なる日常

田舎の学芸員がいろいろと感じたことを徒然と思い付くままに。

「おん祭り」展と「ニッポンの写実」をみる@奈良

職場に招待券が来ていたので、先週末に奈良方面に出かけ展示をみてきた。
2017年最後の展示観覧となるはず。

www.pref.nara.jp

チラシをみて面白そうだったので行ってみた。
牙彫や自在といった最近マスコミでも取り上げられている物がどういうものなのか、気になっていたというのもある。実際にみると取り上げられるのが分かる。
しかし、実際にみて感心したのは写実画で、一見すると写真のように見えるが絵であるものや、実際に撮影した写真を絵にしたものなど現代では様々な技法で写実表現がなされているようである。
正直な話、これくらいしか分からない。

 

そのあとは、恒例のおん祭りの展示。

www.narahaku.go.jp
毎年恒例なので、基本的にはあまり変わらないのだけど、注目するテーマが替わっている。
昨年は奈良奉行所で、今年は中世の社家史料と文献よりであった。
この展示は春・秋の特別展や正倉院展よりも会場は小さい。
が、今年は例年よりも小さく、展示資料も少なめ。
というのも2018年春に春日大社の展示をおこなうので、それに出ない物で展示と相成ったからのようである。*1
展示資料の半数以上は中世文書で、文書専門の者としては興味深いものであった。
とはいえ、展示資料はおん祭りに関係した部分がほとんどであったはテーマがテーマであるので仕方が無いが少し残念。もう少しいろいろな物をみたかった。
あと、文書資料に釈文がつかないのはいつもながら残念。読める人は良いけど、読めない人にはどのような文字が書いているのか示すのも必要だろうと思う。
図録は1500円。ちょっと高めか。

*1:会場に入ったところで別のお客さんが、「いつもより少ない」と聞いていたことの返事による